「心は一番に育てることが大事」
- 2014.6.23
- ARIGATALK
福島 今年の4月から大森こども園になられ、同時に昨年度中に作らせていただいた新保育室がスタートしました。今日はそのあたりをふまえ、先生のお考えについて聞かせて頂きたいと思っています。よろしくお願いします。
園長 はい、よろしくお願いします。
福島 まず始めに先生の保育理念について聞かせてほしいのですが。
園長 この園は、お寺でやっているようなものですので、仏教保育がスタンスでそこからは明るく正しく仲良くということをやっています。
福島 今回うちに依頼をいただいて、先生の考える理念と僕たちのやっている事とマッチするところがあったと思うんですけど、それをどう感じていますか?
園長 やっぱり子供中心の建物を建てるってことで木を使っている事。この保育園は自然の中にありますから豊かな自然の中で育てるというのは1つの理念。
福島 そう言ってもらえると嬉しいです。周りにある自然と建物の中にもなるべく自然を入れようと思ったんです。自然を入れてその中で子供を育てるという。
子供さんに対してはどういう考えや思いを持ってらっしゃるのですか?
園長 子供っていうのは普通に育てても育つのですが、ほっといても...
なので自然に成長するのですがよりよく成長できるのは心なんですよ。コンピューターでいうと基本ソフトがあってその他のアプリを入れるんですけれども、基本ソフト、つまり心がちゃんとしてないとというか乱れているとすべてがダメになっちゃうんですよ。基本がなってないと、いくらほかのことを磨いても結論的にはあまりいいことはできてこないということで、心というのは一番に育てることが大事なんじゃないかと。
福島 園は心を育てる一番最初の場所というかそういう位置づけなんですね。
園長 そうです。家庭が本当なんですけど、園にいる時間のほうが長いですよね。寝る為に帰っている子もいますから。
福島 朝7時から夜7時まで?
園長 12時間いる子はいないのですけれども、移動時間とか寝ている時間を考えると園にいる時間のほうが全然長い。
福島 家庭の代わりになるような心はぐくむ場所になりたいという事ですね。
働く保育士さん達への思いはどういうものでしょうか?
園長 保育士はみんな子供が好きで保育士をしているわけですからその子供が好きだという思いを
実際に保育で生かせるようにしていきたいなと考えているわけですけども。
福島 保育士さんに対して、こういう建物を建てることで何か変化はありましたか?
園長 やっぱり木の感じっていうのが、本当に家庭に近いので人間が人間に戻るじゃないですけど人間性が豊かになる。ビルのコンクリートの中でいるよりは本当に心が和むというのがありますよね。あと匂もいいですよね。
福島 自然な匂いですよね。
園長 あと、本当、色も。自然な色。
福島 ナチュラルカラーですか。
園長 ナチュラルカラーですよねぇ。
福島 今までの環境と新たな環境で先生への影響とかの変化ですが、まだ短いのであれですけどなんか見られたりするんですか?
園長 先生たちも保育しやすいんじゃないんですか。 やっぱりよく子供なんかはよく寝る。
福島 え!やっぱり、そうですか!!
園長 昼寝。
福島 ああ~、昼寝の時間なんかが伸びると僕なんか嬉しい、お昼寝の時間が伸びてよかったなぁって。 子供が一人でもあんな大変なのに(笑)すごいなと思って。だからそういう負担も軽減するんじゃないかと思ってます。
園長 そうですよね。色も落ちつくっていいますよね、気持ちが。
福島 ああ~
園長 原色とか強い色だとどうしても刺激が。
福島 ああ~なるほど。壁のしっくいなんかも自然な塗り方にしているんですよ。あまりきっちり塗り過ぎない。
だから子供の情操というか精神が安定して結果的には先生たちも落ち着かせるというか。
園長 そうですね。保育する方もされる方も気が落ち着くんですね。
福島 なるほど。それはありがたいですね。
あの、保護者の方に対してはどういう考えや思いでこういう建物とか建てたり保育をしていらっしゃるのですか?
園長 この園が建った時は平成元年でしょ。63年の事業でやりましたので、そのとき古いのを新しくするっていうだけの考えで初めはやったのですけど、もう20何年たちまして環境の方も随分変わったんですね。
福島 ああ~そうですね。
園長 今ほとんど木造扱いということで、木造を中心にしている施設が多いんですよ。 後は先ほど言いましたが色ですよね。色なんかほんと落ち着いた方がいいとかね。
福島 ん~この中で一番気に入っているところはどこですか?木ですか?
園長 ん~やっぱりこの柱ですよね。
福島 ハハハ。先生が自らこれがいいって、これうち今回、初めて使ったんですよ。枝つきの。なんかもっと旅館っていうか、あのどっかの民宿みたいになっちゃうかと思ったんですけど(笑)
園長 ハハハ(笑)
福島 ねぇ全然マッチしましたねぇ。
園長 うん、ホント。
福島 この前も枝切ったんですけど、ちょっとぶっかっちゃうところがあって(笑)もう大丈夫ですか?たまによけるのも必要かもしれないけど(笑)あと、掲示板のフェルトちょっと色変えたんですけど大丈夫ですか?
担任の先生 ハイ。大丈夫です。ありがとうございます。
園長 統一感がありますよね。この部屋自体が...
福島 そうですよね。
あの、これ保育士さんたちにも伝えておきたいんですけど、子供が触る部分は全部自然の素材にしてあるんですよ。 で、玄関の扉もナラの木っていうのを使っていて、それで入ってきたところの石、あれは溶岩なんです。だからコンクリートとかじゃないんですね。この床もナラの木ですし、壁は建築で使う杉材を切って全部磨いて貼って使っているんです。規制で自然の素材じゃないといけないというのはないんですけど、子供が触れるところはなるべくぬくもりのある感じにしていきたい。
後でコンクリートとか触ってもらうとわかるんですけど、なんていうんだろう、体温が抜かれて行っちゃう感じが多分あると思うんですよ、でもこれは、触っているとだんだん手の温もりが帰ってくるという(今は春になってしまったので)冬場は体にいいはずです。女性にとっても...床暖房は入ってますけど、こういう素材が温もりを返してくれるんじゃないかと思って。
担任の先生 ありがとうございます。
福島 はい。冬場また様子を見に来ます。不便なところがあったらまた言ってください(笑)
担任の先生 はい。 ありがとうございます。
福島 あっ!あと話が戻るのですが、子供が何というかよく寝る?
担任の先生 寝ますね~!
福島 どれくらい寝ます?感じとすると...
担任の先生 寝つきもいいような気がする。
福島 寝つきも!?
園長 寝つきが早くなった。
福島 お~そうですか。僕なんか今までへぇ~なんて聞いていたんですけど結構すごいことなのかなと思って。
担任の先生 そう思います。
福島 先生たちも楽ですか?
担任の先生 はい、とても仕事しやすいです。
福島 あと子供の喧嘩とかは?穏やかさ?かんしゃく、精神の不安定さはどうですか?
担任の先生 そうですねぇ。あんまり、激しい子はいない...
福島 ああ・・なんか環境がそういうことまで変えられてたらすごいなぁと思って...
園長 今、家に帰ってもマンションとかアパートとか普通のお家もそうですけどこういう感じの家があんまりないんでなんか子供が落ち着かないんですよ。
福島 あ~あ、なるほど。
園長 で、ここも明かりがなんていうか柔らかいっていうか、あんまり激しくないんで、そういうのがいい影響を与えてくれるといいなと思って。
担任の先生 昼寝に関してはびっくり、ぐっすりっていうか。
福島 びっくりっていう感じですか?
担任の先生 違う気がします。去年別のクラスを見たんですけど、去年の子の方が寝ないで早く起きちゃう。友達なんかと比べても全員違いますね。
福島 へえ~、驚きです!
担任の先生 今なんか、寝つきも早いし、熟睡度が高い気がしますね。
福島 そうですか!
担任の先生 まだ、春先の段階なのに意外と寝ている子が多い。
福島 そっかまだみんな慣れてない。知らない人が4人も入ってきても落ち着ていますよね。興奮しないし。
園長 興奮しないですよね。
福島 寝つきが良くて遅くまで寝ているのは、もし1時間違ったら凄いですよね。
園長 熟睡ですもんね。
福島 子供の健康の為、子供の情操教育とか発達の為っていうのはありますけど、先生たちの労働が違いますよね。
園長 そうですね。休む時間が確保される。
福島 その間に作業したりできますもんね。
園長 最初は子供の拒否反応があるかと思いましたが、全然大丈夫でしたね。子供の方が素直なんですね、大人はもう敏感じゃなくなっているんで、時間かかると思うんですけどきっと穏やかになると思うんです。
福島 本日はありがとうございました。
園長 またいらして下さい。