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「エントランス制作秘話」

鉢の木インタビューロゴ

 

 

初めての大仕事

 

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福島 僕なんかが最初、ここに来たじゃないですか。で、その時にここが汚れちゃうとか…玄関がないとか…そういう要望だったんですよ。先生の方から出たのが。で、僕たちが考えますと言って…で、考えを持ってくるじゃないですか。で、その持ってきたものが…やりすぎてるといえばやりすぎてたというか(笑)

 

園長 (笑)

 

福島 え?別にそこまでやらなくたって…濡れないし…いいんじゃないの?みたいなところもあるじゃないですか(笑)そのあたり、最初どんな感じでした?

 

園長 一度建て直してからそんなに経ってなかったから…また、直すのかってところがね…もっと早く出会ってれば…ねぇー(笑)まぁよくやったよね。あの期間で。まぁ構想に2年半くらいかかったけど(笑)

 

福島 (苦笑)

 

園長 今思うとね…

 

福島 長かったですよね。

 

園長 長かった、長かった。何回もね、何回も打合せして…

 

福島 そういつごろ?って言われて(笑)でね、ここ保育園のインタビュー一号目なんですよ。なんでかっていうと、ここがねこういう大きな仕事をはじめてやるきっかけになったし、ここをやったのを見てもらって、またこういう仕事をもらったりとか。けっこう思い入れがあるっていうか…

 

園長 そっかそっか。

 

福島 緊張したこととかも思い出して(笑)なかなか懐かしい感じもあって。それで、できあがって…どんな感じでした?まぁ出来上がるまでがあまりに長かったから…(苦笑)

 

園長 うんうんうん(笑)

 

福島 まぁだいたいそのイメージがついてしまっているかもしれませんが(苦笑)どうでした?

 

園長 やっぱり、出来上がる前に…つくってる過程で…この人たちは何のためにこんなに手をかけてるんだろうと思った!(笑)

 

二人 ははははははは(笑)

 

園長 手をかければかけるほどお金にならないわけだし、あぁでもポリシーをもっていいものを作りたいとか…自分たちで「あぁやってよかった」ていうものを作りたいっていうのが工事の過程でわかって…伝わってきたから、「あぁいいものになるんだろうな」っていう(笑)

 

福島 そこだけは(笑)

 

園長 うん。そこの期待感は増していったけど、で、やりながらハイヒールのピンが入っちゃうとかに気づいて…いろんな落とし穴を見ながら(笑)

 

福島 そうだそうだ(苦笑)

 

園長 でね、この柱のチップもせっかく他は全部木なのに鉄骨で…で、どうするんだって試行錯誤しながら結局これに納まって…

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福島 最初2回塗って…で、最後これでしたね。

 

園長 ね。でも、結果的にこれすごくよかったし。

 

福島 よかったですよね。

 

園長 この下駄箱もね、鉢の形でなんて出来るのかなって思ってたけど…いい具合に納まって。で、すごい人数がいるじゃない、140以上の。

 

福島 はいはい。

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園長 それがこれだけで納まるってすごいよね!

 

福島 けっこう入ってますよね!

 

園長 うん!そうそう!で、まだ空いてるんだよ!

 

福島 あ、まだ入るんですか!

 

園長 そうそう、だからぁこれは…なんていうの…?空間魔術!

 

福島 空間魔術! (笑)

 

園長 そう(笑)私たちには想像もできないことをやってもらって。結果でたなぁと思って。

 

サクラの木のベンチで…

 

福島 そうかぁ…動線はどうでした?子どもの。

 

園長 うん。子どもはね、自分の下駄箱のそばに来るけど親はやっぱり手っ取り早いとこからあがる感じ。でも、子どもがこっちに来るから親も一緒に来てくれる人もいるし、あとこの桜の木が気にいってる親とかおじいちゃんはここからあがって、こっちのほうが雰囲気的に好きみたいね。

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福島 へぇ…。

 

園長 向こうも、こっちが出来るまでは直接向こうにお迎えに行ってた人も多かったけど。

 

福島 そうだそうだ…そうだった。

 

園長 ここから上がる人の方が多いよね。いまは。

 

福島 そうか、じゃあ最初に言ってた玄関的機能もある程度理解してもらってるんですね。

 

園長 そこも付けたわけじゃない?屋根を。だから雨の日もそこから上がればいいのに、みんなこっちから。

 

福島 へぇ!雨の日も!

 

園長 うん、あんまり行かないよね。だから、みんなこの場所が好きっていってるよね。

 

福島 そうですかぁ。

 

園長 で、ここの本をお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんみんながここで読み聞かせしてたりとか!

 

福島 へーえ!その景色みたいなぁ…

 

園長 読んでるよ。毎日帰りに決まってここで読んでもらってから帰るって子も何人もいるし。

 

福島 何人もいるんですか!

 

園長 うん。

 

福島 素晴らしいなぁ…(笑)

 

園長 そう、だから本もね。定期的に入れ替えないとね。だから、そうしてる。

 

福島 へえ。じゃあこの場があるだけで本を読む空間が出来てる…けっこう狙い通りでしたね!

 

園長 ねぇ!よかったぁ!ホントにここはね、一番気持ちのいいところ!

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福島 たいして広くはなってないけど…!1メーターちょっとだったかな…

 

園長 他のところが大体コンパクトに納まっているから。対してここは広く感じられるし…みんな大好きみたいよ。

 

福島 へぇ…それはうれしいですね。

 

園長 それと…ここに芝があって…紅葉があって…っていうのがやっぱりいいみたい。

 

福島 あ、よかったですか。

 

園長 うん。やっぱちがうよね。いまほら、東京の小学校なんかも庭を芝生に、っていうのが増えてきてるんですよ。で、裸足で遊んだりとか…やっぱね芝生っていいみたいよ。お手入れがねぇ…大変だけど(苦笑)

 

福島 (苦笑)

 

園長 でもここはね、ホントにやってよかったと思うよ。うち、いろんな園の保育士とか先生とか見に来るけど、まずここが素晴らしいって…。で、保育を褒められるのはその次だから。

 

福島 へぇ…うれしいですね。

 

園長 向こうからこっちを見た感じもすごくいいでしょ!ね、だからどこから見てもここ…いいよねって。

 

福島 じゃあ、最初目指した園の顔みたいなものに…。

 

園長 ね!他の業者さんがね「やられた!」って言ってたよ(笑)

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福島 (笑)ホントですかねぇ?

 

園長 うん、言ってったよ(笑)「やられた感じがします!すばらしいですねぇ!」って。

 

福島 へぇ…なんかうれしいな(笑)

 

園長 納涼祭とかイベントのときにも役立ってるよ!

 

福島 じゃあ、思ってたよりも幅広く活用してもらえてるみたいですね。

 

大人も子どもも

 

福島 保護者の方とか先生たちの反応はどうなんだろう?僕たちは最近、子どもたちの原風景をつくるっていうのをテーマにしていこうと思ってるんですけど。

 

園長 うん。

 

福島 僕は新潟の六日町出身で、30歳を超えた辺りから田園風景とか…強く思い出される感じになってきたんですよ。で、この前また思ったのが、子どもが遊んでる姿を見て…自分もそうだったなって思い出すというか…

 

園長 うん。

 

福島 僕なんかは子どもに対してこういうところで育って…情操教育じゃないけど、いろんな気持ちが芽生えたらいいなって思ってたけど、それを見た親も結構色々感じてるんだなと思って。

 

園長 うんうん。

 

福島 そういうのってありますよね?

インタビュー用加工後

園長 うん、環境ってやっぱり親も気にするところで、例えば保育室におもちゃが一杯あるって言うのは目に見えて分かることだけど、大体の保育園っておもちゃってそんなに置いてないじゃない?で、うちはおもちゃいっぱいあるねぇって言って…。で、ここを見て「あぁ、だからおもちゃも木なんだ」って言われるの。本当は逆なんだけど。おもちゃが先で(笑)ここを見て木にこだわってるんですねって言われる。こっちを主に褒められる。内が手をかけたのはおもちゃのほうなんだけど(苦笑)

 

福島 なるほど、だからその、2年半くらい打合せしたじゃないですか。で、果たしてそこまで表現できているか分からないけれど、おそらくその打合せの中で先生が思っている保育のやり方と、僕なんかが思ってる子どもにとってどういうものがいいのか?っていう。そこの気持ちの共通点はけっこうある。

 

園長 うん、そうね。

 

福島 うん。ぼくはああいう木のおもちゃを見て、すごく楽しそうだと思うし。

 

園長 私ね、糸鋸を買おうと思ったもん!

 

福島 本当ですか!?

 

園長 糸鋸買って…積み木でも作って…子どもに磨かせて…自分たちで作ったら大事にするんじゃないかなぁとか…

 

福島 いま、すごいイイこと思いつきました。最近僕らは新しい工場を手に入れたんですよ。そこに例えば先生んちで誰かに来てもらって木工教室を開いて…自分のところの園のおもちゃを作ってもらうとか…

 

園長 あぁ…

 

福島 たとえば机を直すとか…僕らに頼まなくても自分たちで直せるようになれば…お金もかからないじゃないですか。

 

園長 うんうん。

 

福島 そういう教室を開いたらありがたいって人いるかも。

 

園長 うんうん。で、自分でイメージして…作ったもので…子どもが遊んで…それで子どもが喜んでくれたっていうのはおもちゃを保育士がまず大事にする一番根本の大事な条件かなって気がする。買って与えたものってやっぱり大事にしないんだよね。

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福島 ああ、そうかもしれない。自分で働いたお金で買うならまだしも…ね、壊れちゃいましたーってなりますよね。それは。

 

園長 そうそう。自分たちで作ったり…考案したものが形になるって言う方が保育士も大事にするよね。

 

福島 うん。

 

園長 で、保育士がモノを大事にしたのを見て、子どもも大事にするから…保育士が雑に扱ってるのを見たら子どもは絶対大事にしないから…そこはいつも言うんだけど…なかなかねぇ…。

 

福島 (笑)なかなか通じないところがありますか。

 

園長 うん。こっちはこれが必要かなと思って…大事にしてもらいたいなと思って買って持っていくじゃない?だけど、次に見たときにパーツがないとか壊れてたりとかしたら、それは扱いの問題でしょ!って。

 

福島 うん。だから子どもが雑に扱ったりしてるのを注意しないのもあるかもしれないですよね。

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園長 そう。だから、ものを作ってみたりすると保育士も作った人の気持ちが分かるかも…それはいいかもね!

 

福島 おもしろそうですよね!

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