ARIGATALK

「生活の中に溶け込むカレー屋さん」

harucurry

可能性があるなら、やってみたい

 

 

福島 じゃあまず、始まったきっかけ…
いつぐらいにそういう(カレー屋を開く)話になったのか。

 

井上 話になったのは、去年の12月。

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福島 ふーん、じゃあ(オープンは)決まってからすぐだね。

 

井上 そうです、ほんとに。
12月に、お兄ちゃんが東京に住んでるんですけど、帰ってきて、
「お父さんさぁ、カレー屋始めない?」って言った。

 

福島 あっ、もういきなり?

 

井上 いきなり。

 

福島 へぇー。それは今まで作ってたのを食べてて?

 

井上 そうそう。

 

福島 食べてて、で、何でカレー屋始めない?って言ったんだろうね。

 

井上 これは…お兄ちゃんが毎日朝マラソンしてるんだって。

 

福島 うんうん。

 

井上 (毎日)5キロくらい走ってると、そうするとね、いろんなアイディアとかが浮かんでくるんだって。

 

福島 おおお(笑)。ランナーズ・ハイみたいなね(笑)。

 

井上 そうそう(笑)。
「あっ、これしたほうがいいな、これもいいな、」って(浮かんでくる)。
webデザインやってるから、デザインのこととかもやっぱり走ってるといろいろ浮かぶからいいんだって。

その中で、なんかこう…走りながら、「お父さん…カレー屋やったほうがいいんじゃないか?」って閃いちゃって。

 

福島 うんうん!

 

井上 で、閃いちゃったら、もう実行するしかないって、お兄ちゃんは。

 

福島 あっはっはっは(笑)!

 

井上 それで、帰ってきて、「お父さんさぁー、カレー屋やらない?」って。

 

福島 ふぅーん。

 

井上 そしたら、お父さんが、「いやいや、そんなん無理だよ」って。

 

福島 あ、最初は無理って言ってたんだ。

 

井上 そう、ムリムリムリ!って。「そんな、そんなそこまでじゃない」って。人に食べさせるような、お金を貰うようなものでもないし。

 

福島 うんうん。

 

井上 自信もないし…そういう感じでした。

 

福島 ふぅーん…。それが、もう12月でしょ?

 

井上 12月。

 

福島 それで、どういう感じで変わってくるの?

 

井上 そのときはもうそれで、「じゃあ、そっかー」って話が終わったんだけど、あのー、ね、ちょくちょくね、お兄ちゃんのほうから「やっぱりやった方がいいよ」とか。

 

福島 へー。

 

井上 電話とか。「やっぱやった方がいいよ!」って。

(お兄ちゃんが)お正月に帰ってきたんで、ちょっと家族で、それに関してもうちょっと深く話をしたんですけど。

 

福島 家族会議ね。

 

井上 そうそう。そしたら、私は私でなんかおもしろそうだなーってのったんですよ、その(カレー屋を始める)話に。

 

福島 うんうん、「やってみようよ」って。

 

井上 うん。「お父さん、やってみようよ!」って。

 

福島 ははは(笑)。

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井上 ね(笑)。お父さんもう60で還暦だし、やっぱこのお父さんのおいしいカレー、なんか食べてもらったほうがいいんじゃない?って。
お父さんもそれも生きがい、っていうか楽しみにもなるから、いいんじゃない?って。

 

福島 ふぅーん…。

 

井上 私とお兄ちゃんで、もう…話したんですよね。そしたら、お父さんも、じゃあ…って。
そんなに言うんだったら、って、やるか。って。

 

福島 そんなに稼ぐ必要もないし…ってね。

 

井上 そう、お父さんは、そういう…「お金を稼ぐ」っていう感覚はないんです、頭が。

 

福島 今でもそうなの?

 

井上 今でもそう。自分が、追求したものを食べてもらって「おいしい!」って言われたら、もうそれが満足だから。

 

福島 ふーん。

 

井上 これで大儲けしよう!とか、そういう頭はないんですね。

 

福島 ふーん。
最初、カレーをお父さんが作り始めたきっかけっていうのはどういう時だったんだろうね?

 

井上 私が…私が生まれてなかったんで、話を聞いただけなんですけど。

 

福島 あっ、もうそんな前からあったの?

 

井上 そう、30何年前とか言ってたけど…お兄ちゃんが生まれる前から…。

 

福島 お兄ちゃんと俺っていっしょくらいなんだっけ?

 

井上 いや…お兄ちゃんね、33歳。

 

福島 あれ、お姉ちゃんは?

 

井上 お姉ちゃんは30歳。

 

福島 お兄ちゃんより俺のほうがちょっと上なんだ。ふーん。

 

井上 そう。だからお兄ちゃんとお姉ちゃんがちっちゃいころ。ちっちゃいころに、お父さんが、なんかどっかの雑誌に、ホテルのカレーのレシピが載ってて。それを見て、たまたま作ったら、家族に好評で、で、やっぱ褒められると嬉しいから、事あるごとに作っていって、どんどん得意料理になって。で、人を招いたりとか…この家が出来た時も、幼稚園の先生みんな招いたんだけど、うちに、10年前くらいに。

 

福島 へぇー。へー。

 

井上 それで、カレーを出して。

 

福島 振る舞ったと。

 

井上 振る舞ったら、すごい好評で。
で、幼稚園の先生達は、そのカレーをまた食べたいって言ってて。

 

福島 お兄ちゃんは商売っぽいけど、商売っていうか、売ればいいって思ってるけど、
お父さんは、より多くの人に食べてもらうなら、売るのもいいかなって。
それで始めたと。

 

井上 うん。

 

福島 なんで、2人でやろうとしたの?

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井上 あのー、やっぱりお父さんは、表にあんまり出たがらない、出たくない…っていうか、作るのはいいんだけど、

やっぱりこう…人前に出るのが苦手だから、って。で、お兄ちゃんが、「春乃が看板娘になればいいんだよ」って。

 

福島 うん、うん。

 

井上 「いいんだよ」って言われても困るんだけど(笑)。
それで、その時は、私もすぐに「はい」とは言わずにいたんだけど、でも、どうせやるなら、って…。

 

福島 そうだよね。
なんか…俺もそうだけど、自分たちに何か可能性あるんだったらね、やっちゃいたいよね。

 

井上 そうそう。

 

福島 それはあるよね。
それをだから…ここ、オープンは?

 

井上 6月。

 

福島 じゃあ…決めて半年だ。

 

井上 半年でした。うん。

 

福島 みんないろんな調整して。

 

井上 うん。そんときに、お兄ちゃんが「(カレー屋を)やる」って決まった時に、半年でやろうって。

 

福島 へぇー。
じゃあお兄ちゃん、結構計画建てるの好きなんだ。

 

井上 好きですねー。計画立てるのとか、プラン。

 

福島 プラン立てたりね。

 

井上 どうやったら売れるのかを、考えるのがたぶん好きなんだと思う。

 

福島 他の家族の反応は?
お母さんとか、お姉ちゃんとか。

 

井上 うん、お母さんは乗り気でしたね。「でもあたしは関与しないよ」って。

 

福島 お母さん好きそうなのにね(笑)。

 

井上 「関与しないよ」って言いながらも、ずっと考えてる。

 

福島 お母さんもアイデア好きだもんね。

 

井上 そうそう。「これしたほうがいいよ」ってすっごい言ってくる。

 

福島 うんうん。それでなんだ…2人がなんか似た感じでしょ?
お父さんとはるのちゃんが。

 

井上 うん、そうそう。

 

福島 こう、(意見を)言われて、「ああそっかー」って。

 

井上 そうそう(笑)!

 

福島 「そういう考えもあるのかー」って。

 

井上 そう!それで、お兄ちゃんとお母さんは(どんどん意見を)、言う。

 

福島 そうそう、そうだよね。だから、テキトーな方と、真面目な方とだよね(笑)。
言われる方がだいたい真面目だよ(笑)。

 

井上 ああ、そうかな?

 

3種類のカレー

 

福島 で、あとその…カレーの、内容、がちょっと紹介できれば。

 

井上 あー…。

 

福島 あと「こだわり」とかさ。一番の「こだわり」、何?
まず種類挙げてみて。

 

井上 種類は、まず、「チキンカレー」と、「ビーフカレー」と、「キーマカレー」。

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福島 それぞれに(こだわりが)あるんでしょ?

 

井上 それぞれあります。まず「チキンカレー」は、お父さんが昔から作ってるカレー。

 

福島 あ、チキンが一番最初。

 

井上 一番最初。だから、はじめはチキンだけしか作ってなかった。
うちに出すカレーはいつもチキンカレー。

 

福島 ほーう。

 

井上 で、それがすべてのベースになってる。

 

福島 じゃあ、そこ(チキンカレー)で試行錯誤したことがキーマに活きたり。

 

井上 そう。あ、でもキーマに関しては別。

ビーフとチキンは玉ねぎをたくさん使ってるから、野菜の繊維がたっぷりなんですね。

 

福島 うんうん。
そうだね、とろみとかが強い。

 

井上 そうそう。トマトとか、なるべく野菜を使ってベースを作る。これがまず基本のこだわりっていうか。

 

福島 チキンに関しては?

 

井上 チキン関しては、まあ色々試行錯誤した結果、今の時点では、なるべく注文を受けてから焼いて、もう味付けしたチキンを焼くんです。
下味をつけておいたものを、焼いて。

 

福島 ふぅん。

 

井上 焼きたてのほうが、やっぱり(チキンの)プリプリ感が出るし。

 

福島 うん、焼きたてだとまた焦げっていうか、
焼かれた匂いね、香ばしさがね。

 

井上 そうそうそう。
そういうのも…試行錯誤した結果、そっちのほうがいいんじゃないかな、っていう。
(だから)なるべく直前に焼いて。

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福島 ふぅーん。

 

井上 それで出してる感じ。

 

福島 じゃあ、その二点だ。玉ねぎトロトロと、チキンと。おもしろいね。
あとは?

 

井上 ふふふ(笑)。あとは、ビーフカレーは、ちょっと辛口で。

 

福島 うん。

 

井上 ビーフに関しては、圧力鍋で結構柔らかく、時間をかけて、煮込んでるんですね。
(ビーフは)直前に焼くんではなくて、煮込んで、時間をかけて。

 

福島 牛すじっぽい部分もあったね。

 

井上 牛すじは、ほとんどはそのダシで使ってるんだけど、
結構そのコラーゲンとか、残ってる部分とかは(カレーに入れている)。

 

福島 あと味もね。

 

井上 そうそうそう。

 

福島 牛すじの味はね、結構いいのがね、残るもんね。

 

井上 そうですよね、それもいいって。
バラと、牛すじを混ぜて、ビーフに入れたりしてる。

 

福島 なるほどね。

 

井上 だから、そのダシとかも加えつつ。

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福島 ビーフはそんな感じだ。
キーマは?

 

井上 キーマカレーは、あの、おばあちゃん。お母さんのお母さんが、ドライカレーを昔から作ってて、それが、元なんです。

 

福島 じゃあおばあちゃんの味を受け継いでいるんだ。

 

井上 そう。元はそうなんです。

 

福島 おばあちゃんは、ドライカレーをつくる人だったの?

 

井上 そういうわけじゃなくて、おばあちゃん結構料理が得意で、その中でもドライカレーが得意で。
お母さんも昔からおばあちゃんのドライカレーを食べてるから、自分の得意料理もドライカレーで。
私も、お母さんのつくるドライカレーを昔から食べてたから。

 

福島 じゃあ春乃ちゃんもお父さんも食べてたんだ。

 

井上 そう。「これおいしいなー」って言ってて。
カレー屋始めるって決まった時に、「じゃああのドライカレーをうまく商品化して、一緒に出せればいいね」ってなって。

 

福島 ふぅーん。

 

井上 それで、(キーマカレーを)決めて作った。

 

福島 じゃあほとんど変わらないんだ、(おばあちゃんやお母さんのキーマカレーと)味が。

 

井上 いや、でも、変えましたよ、いろいろ。
ひき肉とかも豚肉にこだわったし、調理方法もテイクアウトだから、
最初は、肉をそのまま炒めてたけど、そうじゃなくて、1回お湯に通して、余計な油を取ってから、炒める…。

 

福島 じゃあヘルシーにつくろうとしてるんだね。

 

井上 そうそうそう。

 

福島 全体的にそうだもんね。ブログ読むとね。木の上の…豚。

 

井上 読みましたか?

 

福島 ブログが公開された時に。あの…お父さん、おもしろいね(笑)。

 

井上 ふははは(笑)!おもしろい?

 

福島 独特のキャラで(笑)。お父さんを、春乃ちゃんがプロデュースしたら、いいコンビだね。

 

井上 あっ、そうですか?ふーん…。

 

福島 それでさ、お父さんが他のところでペラペラ喋ってるとあまりおもしろくないからね。

 

井上 うん…ね。そうそう。控えめだからね、いつも。

カレー補正

 日常のカレー屋さんに

 

福島 今後は?

 

井上 やっぱり…近所の人が、結構使ってくれる場所にしたくて。

 

福島 まだまだ少ない。

 

井上 まだまだ少ない。

 

福島 どれぐらいの範囲で行きたいの?

 

井上 範囲ですか?うーん…。

 

福島 イメージしてる絵みたいなの。

 

井上 うーん…私がイメージしてるのは、お持ち帰りなんで、レストランじゃないんで、特別な日に食べるカレーじゃないんですよ。

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福島 日常にね。

 

井上 「今日、カレーにするか」みたいになったときに、作るのも大変だし、

「近所においしいカレー屋さんがあるから、買ってきて、みんなで食べよっか」っていう、そういう感じにしたい。

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福島 ふぅーん。じゃあ惣菜屋なんだけど、カレーしか置いてない惣菜屋さん。

 

井上 うん。

 

福島 そこのコロッケ屋さんみたいに、
コロッケの他に揚げ物も売ってるみたいな店で、
カツを買って、カレーを買って、カツカレーにして食べようかっていう流れもいいよね。

 

井上 そうそうそう。
そういう、自然に、生活の中に溶け込むカレー屋さんになりたいんで。

 

福島 じゃあ商店だ。カレー商店。「カレー商店 はる」。

 

井上 あはは(笑)。

 

福島 カレー商店ね。いいね。

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はるカレー

群馬県高崎市和田町10-6

営業時間  11:00〜19:30(月・火は定休)

公式ホームページ http://harucurry.com/home/index.html

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